「セミナーの司会、〇〇さんに頼みたいけど、断られたら気まずいな…」
「資料作成を任せたいけど、説明する手間を考えたら自分でやった方が早いか…」
ネットワークビジネスでチームが大きくなってくると、必ずぶつかるのが「ダウンラインへの仕事の任せ方」の壁です。
あなたは責任感が強く、プレイヤーとしても優秀だからこそ、人に頼むことへの遠慮や、品質への不安を感じてしまうのでしょう。
しかし、リーダーであるあなたの時間は有限です。
全てを抱え込めば、いずれパンクし、チームの成長もそこで止まってしまいます。
実は、「上手に任せる」ことは、才能や性格ではなく、習得可能な「技術」なのです。
この記事では、多くのリーダーが陥りがちな失敗パターンを分析し、ダウンラインが気持ちよく引き受け、確実に成果を出してくれるための実践的な「任せるコツ」を5つ紹介します。
この記事でわかること
- 任せてもうまくいかないリーダーに共通する3つの失敗原因
- 相手が喜んで動いてくれる具体的な「頼み方」の技術
- 任せた後のフォローでダウンの成長を加速させるフィードバック術
なぜ、あなたの「任せる」はうまくいかないのか? よくある3つの失敗パターン

「任せてみたけど、全然ダメだった…」という経験はありませんか?
その原因は、ダウンの能力不足ではなく、あなたの任せ方に問題があったのかもしれません。
まずは、よくある失敗パターンを知り、同じ轍を踏まないようにしましょう。
パターン1:指示が曖昧すぎる「察してちゃん」依頼
「いい感じにお願いね」「とりあえずやってみて」といった曖昧な指示は、ダウンを混乱させる最大の原因です。
あなたの中にある「いい感じ」の基準は、言葉にしなければ伝わりません。
結果として、あなたの期待とは全く違う成果物が上がってきて、「全然わかってない!」とお互いにストレスを抱えることになります。
パターン2:相手の能力や状況を無視した「無茶振り」
入会したばかりのメンバーに、いきなり難易度の高いクロージングを任せたり、本業で忙しい時期に大量の作業を振ったりしていませんか?
相手の能力や状況を考慮せず、自分の都合だけで仕事を押し付けるのは、単なる「無茶振り」です。
これでは、ダウンはプレッシャーに押し潰され、自信を失ってしまいます。
パターン3:任せた後に放置する「完全丸投げ」
「任せる」と「丸投げ」は似て非なるものです。
任せた後、一切のフォローもせず、締め切りギリギリになって「できた?」と聞く。
これでは、途中で方向性がずれていても修正できず、手遅れになる可能性が高まります。
適切なタイミングでの確認とサポートがあってこそ、安心して任せることができるのです。
これだけで劇的に変わる! ダウンに任せるための「準備」のコツ

上手な権限移譲は、頼む前の「準備」で8割が決まります。
いきなり声をかける前に、リーダーとして整えておくべき環境があります。
コツ1:任せる相手を見極める(意欲>能力で選ぶ)
誰に任せるかは非常に重要です。
現時点での能力が高い人よりも、「挑戦してみたい」「成長したい」という意欲を持っている人を選びましょう。
スキルは後からついてきますが、やる気のない人に無理やり任せても良い結果は生まれません。
日頃のコミュニケーションから、メンバーの「やりたいこと」や「得意なこと」を把握しておくことが大切です。
コツ2:業務を「作業」レベルまで細分化する
「セミナー運営」という大きな塊で任せると、ダウンは何から手をつけていいかわかりません。
「会場予約」「受付名簿作成」「司会進行」「アンケート集計」のように、具体的な作業レベルまで細分化しましょう。
小さなタスクであれば、経験の浅いメンバーでも取り組みやすく、成功体験を積みやすくなります。
コツ3:マニュアルやテンプレートを先に用意しておく
初めての作業を任せる時は、「地図」を持たせてあげることが親切です。
過去の成功事例、資料のテンプレート、簡単な手順書(マニュアル)などがあれば、ダウンは迷わずにゴールへ向かえます。
完璧なものである必要はありません。
箇条書きのメモ程度でも、あるとないでは大違いです。
【体験談】「とりあえずよろしく」で招いた大混乱
以前、あるイベントの集客をリーダー候補のメンバーに「任せたから、あとはよろしく!」と丸投げしたことがありました。
私は彼の自主性を尊重したつもりでしたが、彼は何をしていいかわからず、誰にも相談できずに一人で抱え込んでしまいました。
イベント直前になって、集客が全く進んでいないことが発覚。
慌てて私が介入しましたが、時すでに遅し。
イベントは散々な結果に終わり、彼も自信を喪失してしまいました。
「丸投げ」は優しさではなく、リーダーの職務怠慢だと痛感した苦い経験です。
相手が喜んで動いてくれる! 実践的な「頼み方」の技術

準備ができたら、実際にダウンに依頼します。
ここでも、ちょっとした伝え方の工夫で、相手のモチベーションは大きく変わります。
技術1:I(アイ)メッセージで「あなただから頼みたい」を伝える
ただ単に「これやっておいて」と言うのではなく、「なぜあなたに頼むのか」を伝えましょう。
「〇〇さんはいつも丁寧だから(理由)、私が安心して任せられるんだ(Iメッセージ)。お願いできるかな?」
このように、相手の強みを認め、リーダーである「私(I)」が助かる、期待しているという気持ちを伝えることで、ダウンは「頼りにされている」と感じ、喜んで引き受けてくれます。
技術2:ゴール(What)と目的(Why)を明確に共有する
何(What)をやるかだけでなく、なぜ(Why)それをやるのかを必ずセットで伝えましょう。
例えば、「アンケートを集計して」だけでなく、「次のセミナーの改善点を見つけたいから(目的)、参加者の生の声がわかるようにアンケートを集計して(ゴール)」と伝えます。
目的がわかれば、ダウンは自分で工夫する余地が生まれ、より良い成果を出してくれる可能性が高まります。
技術3:締め切りと中間報告のルールを最初に決める
「なるべく早く」は禁句です。
「〇月〇日の〇時までに」と具体的な締め切りを設定しましょう。
また、作業期間が長い場合は、「まずは全体の構成案ができたら見せてね」「半分終わったら一度連絡ちょうだい」といった中間報告のルールを最初に合意しておきます。
これにより、放置による手遅れを防ぎ、ダウンも安心して作業を進められます。
任せた後のフォローが決め手! 成長を加速させるフィードバックのコツ

仕事が終わった後のフィードバックこそが、次の成長につながる最大のチャンスです。
ここでの対応次第で、ダウンが「またやりたい」と思うか「もう二度とやりたくない」と思うかが決まります。
60点の出来でも、まずは「感謝」と「承認」から入る
提出されたものがあなたの期待以下だったとしても、開口一番にダメ出しをしてはいけません。
まずは「忙しい中、対応してくれてありがとう!」「ここ、すごく工夫してくれたんだね」と、感謝と良い点を具体的に伝えて承認します。
人は認められて初めて、耳の痛いアドバイスも受け入れられるようになります。
「感想」ではなく「事実」に基づいて具体的にアドバイスする
修正点を伝える時は、「なんか読みにくいな」といった主観的な感想ではなく、「ここの数字が間違っている」「この表現だと誤解を招く可能性がある」といった客観的な事実に基づいて伝えましょう。
そして、「次はこうするともっと良くなるよ」と、未来に向けた具体的な改善策を一緒に考える姿勢が大切です。
失敗した時こそ、リーダーが全責任を負う姿勢を見せる
もしダウンがミスをしてトラブルになった場合、絶対にダウンを責めてはいけません。
対外的には「私の指示不足でした。申し訳ありません」とリーダーが全責任を負い、ダウンを守ります。
その上で、裏では「何が原因だったか」「次はどうすれば防げるか」を冷静に話し合う。
この「守られている」という安心感が、ダウンの忠誠心と再挑戦への勇気を生み出します。
上手に任せることで手に入る「真の自由」と「最強のチーム」

任せる技術を磨くことは、あなた自身を労働から解放し、チームを次のステージへ導く最強の武器になります。
あなたが現場を離れることで、ダウンが「主役」になれる
あなたがいつまでもマイクを握っていては、新しいスターは生まれません。
あなたが意図的に一歩引くことで、ステージという空白が生まれ、そこにダウンが立つチャンスができます。
スポットライトを浴びた経験は人を劇的に成長させ、やがてあなたがいなくても自走する強力なチームが出来上がります。
空いた時間で、チーム全体の新たな戦略を構築する
権限移譲で生まれた時間は、リーダーにしかできない仕事に使ってください。
それは、チームの未来を描くことであり、より効率的な仕組みを作ることです。
例えば、労働集約的な集客から脱却し、Webを活用した自動化システムを導入するのも良いでしょう。
継続報酬型WEBビジネスのように、一度仕組みを作れば安定した収益を生み出してくれるモデルは、時間的余裕ができた今だからこそ取り組める、チーム全体の資産となります。
【体験談】「任せ方」を変えたら、チームが勝手に動き出した
私は「技術」としての任せ方を学び、実践し始めました。
相手の得意なことを見極め、「あなただから頼みたい」と伝え、具体的なゴールと中間報告のルールを決める。
たったこれだけのことで、ダウンの反応が劇的に変わりました。
以前は渋々引き受けていた彼らが、「任せてください!」と目を輝かせて取り組んでくれるようになったのです。
今では、私が指示しなくても彼ら同士で役割分担をし、イベントを成功させています。
「任せる」とは、相手を信じて技術を持ってサポートすることだと実感しています。
まとめ:ネットワークビジネスでダウンに任せるコツは「技術」でカバーできる

「任せるのが苦手」なのは、性格のせいではありません。
単に「やり方」を知らなかっただけです。
今回ご紹介した5つのコツ(相手を見極める、細分化する、Iメッセージで頼む、ルールを決める、承認から入る)は、どれも明日からすぐに使える「技術」です。
まずは一番小さなタスクから、この技術を試してみてください。
きっと、ダウンラインの頼もしい変化に驚くはずです。




