「メンバーがバラバラの方向を向いている…」
「ダウンライン同士の金銭トラブルや陰口が絶えない…」
「かといって『あれダメ、これダメ』と厳しくしたら、チームの空気が悪くなりそうで…」
あなたは今、自由な個人事業主の集まりであるチームを、どう統率すべきか頭を悩ませていませんか?
会社のように「規則」で縛れば、メンバーは息苦しくなって去っていきます。
しかし、「自由」に任せれば、組織は必ず腐敗し、崩壊します。
この記事では、メンバーを「管理」するのではなく、「守る」ためのルール作りという、全く新しい視点を提案します。
この記事でわかること
- なぜ「トップダウンの厳格なルール」がMLMチームを崩壊させるのか
- メンバーを「管理」するのではなく「守る」ためのルール作りの本質
- チームの未来を守るためにリーダーが掲げるべき「5つの共通マインドセット」
なぜ、MLMチームに「会社のルール」を持ち込むと崩壊するのか?

多くのリーダーが犯す最初の間違い。
それは、自分が過去に経験した「会社組織」の常識を、そのままMLMチームに持ち込んでしまうことです。
しかし、この二つは似て非なる、全く別の生き物です。
大前提:あなたのメンバーは「部下」ではなく「対等なパートナー」
会社員は「雇用契約」で結ばれ、給与という対価のために働きます。
上司には業務命令権があり、部下は基本的にそれに従う義務があります。
しかし、MLMのメンバーは違います。
彼らはあなたに雇われている「部下」ではありません。
それぞれが独立した「個人事業主」であり、あなたとは「対等なビジネスパートナー」です。
彼らは、あなたの指示に従う義務もなければ、あなたの顔色をうかがう義理もありません。
この大前提を履き違えた瞬間、リーダーシップは「支配」へと変わります。
「支配(コントロール)」は「反発」しか生まない
対等なパートナーに対して、「あれをやれ」「これをやるな」と一方的な指示命令をしたらどうなるでしょうか?
「なぜ、あなたにそんなことを言われなければならないのか」
必ず、強い反発が生まれます。
人は、他人から「コントロール(支配)」されることを本能的に嫌います。
特に、自由を求めてMLMに参加した人にとって、会社以上の「束縛」を感じさせるリーダーの元には、1秒たりともいたくないのです。
リーダーの仕事は「管理」ではなく「ビジョンの共有」
では、リーダーは何をすべきか。
それは、メンバーの行動を細かく管理(マネジメント)することではありません。
「私たちは、このビジネスを通じて、こんな未来を実現したい」という「ビジョン(理念)」を共有し、それに共感してもらうことです。
「この指とまれ!」という旗を掲げ、その旗の魅力に惹かれて集まってきてもらう。
ルールで縛るのではなく、ビジョンで惹きつける。
これがMLMにおける真のリーダーシップです。
ルール作りで失敗するリーダーが陥る「3つの勘違い」

「ビジョンだけでは飯は食えない。最低限のルールは必要だ」
その通りです。
しかし、そのルール作りの「前提」を間違えると、良かれと思って作ったルールがチームを破壊します。
勘違い1:ルールは「多ければ多いほど良い」と思っている
「遅刻禁止」「服装規定」「週報の提出義務」「アポ数のノルマ」…
真面目なリーダーほど、メンバーを「正しく導こう」として、ルールを細かく、多く作ってしまいがちです。
しかし、ルールが多すぎると、メンバーは「監視されている」「信頼されていない」と感じ、息苦しくなります。
ルールは、メンバーの「やる気」を育てるものではなく、「行動」を制限するものです。
多すぎるルールは、チームの自発性とエネルギーを確実に奪います。
勘違い2:ルールは「リーダーが一人で作るもの」だと思っている
「チームを守るために、俺がルールを決めなければ」
このトップダウンの思考は、MLMでは機能しません。
リーダーが一方的に作ったルールは、メンバーにとっては「押し付けられた規則」でしかありません。
「やらされ感」が満載のルールを守る人はいませんし、守られなかった時にリーダーがイライラするだけです。
ルールは「与える」ものではなく、メンバーと「共に育てる」ものです。
勘違い3:ルール違反者を「罰すれば良い」と思っている
「ルールを破った〇〇さんを、グループミーティングで吊し上げる」
「ペナルティとして、次のセミナー参加を禁止する」
恐怖政治は、短期的に組織を引き締めるかもしれませんが、長期的には「心理的安全性」を完全に破壊します。
メンバーは失敗を恐れて挑戦しなくなり、リーダーに本音を話さなくなります。
違反者を罰する組織に未来はありません。
違反者が出た時こそ、リーダーの「対話力」と「器」が試されるのです。
「俺の言うことが絶対」リーダーPさんの悲劇

「俺の城」マインドが招いた、信頼の崩壊
Pリーダーは、前職の大手営業会社でトップ成績を収めたカリスマでした。彼はその成功体験をMLMチームに持ち込み、「俺の言う通りにやれば絶対に成功できる」と公言していました。彼は「Pチーム憲章」と名付けた20箇条以上のルールブックを作成。「アポは週5件必須」「セミナーは全参加」「リーダーへの日報を24時までに提出」「服装は常にスーツ着用」。最初はPさんのカリスマ性に惹かれて従っていたメンバーたちも、次第にその息苦しさに疲弊していきました。副業で始めたメンバーはノルマを達成できず、「自分はダメだ」と自信を失い、脱落。主婦のメンバーは「スーツ代がかかりすぎる」と不満を漏らしました。「俺の言うことが絶対だ」と信じて疑わなかったPさん。しかし、彼が築いた「城」は、あまりに窮屈すぎました。1年後、Pさんのチームには誰もいなくなり、彼は「なぜ俺の言う通りにやらないんだ」と孤独に呟くだけでした。
ルールは「鎖」ではない。チームを守る「盾」である

Pさんのような失敗をしないために、ルールの「定義」を根本から変えましょう。
ルールは、メンバーを縛る「鎖」ではありません。
メンバーの可能性と未来を守る「盾」なのです。
ルール作りは「禁止」ではなく「価値観の共有」
「〇〇を禁止する」というネガティブなルール作りはやめましょう。
代わりに、「私たちは〇〇を大切にする」というポジティブな価値観(マインドセット)を共有するのです。
×「陰口を禁止する」
○「私たちは、仲間の良いところを見つけて承認し合うことを大切にする」
×「クロスリクルート(引き抜き)禁止」
○「私たちは、自分のチームも他人のチームも尊重し、業界全体の発展に貢献する」
「禁止」は監視を生みますが、「価値観の共有」は誇りを生みます。
リーダーが守るべきは「ルール」ではなく「チームの空気(心理的安全性)」
ルールは、それ自体が目的ではありません。
チームの「心理的安全性」を守り、メンバーが安心して活動できる「空気」を作ることが目的です。
もし、作ったルールがメンバーを萎縮させ、空気を悪くしているなら、そのルールは即刻捨てるべきです。
リーダーはルールの番人になるのではなく、空気(カルチャー)の守護者になってください。
トラブルを未然に防ぐ「防衛マインドセット」としてのルール
MLMで起こりがちなトラブルは決まっています。
「お金の貸し借り」「クロスリクルート」「オーバートーク(誇大広告)」「恋愛のもつれ」。
これらを放置すると、チームは一瞬で崩壊します。
ルールとは、これらの致命的なトラブルから、純粋に頑張っているメンバーを守るための「防衛シールド」なのです。
「縛る」ためではなく「守る」ため。このマインドセットがすべてです。
自走する組織が持つ「5つの共通マインドセット(=ルール)」

では、具体的にどのような価値観を共有すべきでしょうか。
ここでは、強固なMLMチームに共通する、最低限必要な5つのマインドセット(=ルール)をご紹介します。
マインド1:「誠実さ」 ― 嘘・誇張・オーバートークを「悪」とする文化
「絶対儲かる」「誰でも簡単」といった嘘や誇張(オーバートーク)は、コンプライアンス違反であると同時に、チームの信頼を根本から破壊します。
「私たちのチームは、日本一誠実であろう」
この価値観を第一に掲げてください。
マインド2:「リスペクト」 ― クロスリクルート・陰口・金銭貸借の絶対禁止
仲間は「リスペクト(尊重)」する対象です。
・仲間をモノのように引き抜く(クロスリクルート)
・いない人の悪口を言う(陰口)
・信頼関係を破壊する(金銭貸借)
これらは「リスペクトの欠如」であり、チームの結束を破壊する3大悪です。
これだけは「絶対的な禁止ルール」として明確に定めるべきです。
マインド3:「GIVEの精神」 ― 知識やノハウを独り占めしない
「あの人はノウハウを隠している」「あの人だけ得している」
こうした不公平感は、不満の温床になります。
「自分が得た学びや成功事例は、惜しみなくチームにGIVEする」
「ライバルではなく、仲間として助け合う」
このGIVEの精神が循環するチームは、全員のレベルが底上げされ、爆発的に成長します。
マインド4:「自立」 ― アップラインや環境のせいにしない
私たちは個人事業主です。
「アップが助けてくれないから」「会社が悪いから」「セミナーが遠いから」
うまくいかない理由を他責にするマインドセットを排除します。
「すべての結果は自己責任」
この「自立」したマインドを持つメンバーが集まることで、組織は「依存集団」ではなく「プロフェッショナル集団」になります。
マインド5:「ポジティブなコミュニケーション」 ― 不満は「下」でなく「上」に言う
不満や愚痴は、絶対になくなりません。
問題は、その「言い方」と「方向」です。
「不満は、ダウンラインや横のメンバー(下)には絶対に言わず、必ずアップライン(上)に相談する」
ネガティブは上で止め、ポジティブだけを下に流す。
これを徹底するだけで、チームの空気は劇的に改善します。
「ルール」を最強の「文化」に変える、リーダーの4つのステップ

これらのマインドセットを、どうやってチームに浸透させるか。
トップダウンではなく、ボトムアップで「文化」にしていく4つのステップです。
ステップ1:「どうなりたいか?」をメンバー全員で話し合う
リーダーがルールを決めてはいけません。
メンバーを集め、「私たちは、どんなチームだったら最高か?」「どんなチームなら誇りを持てるか?」を全員で話し合ってもらいます。
「お互いを尊重し合えるチーム」「嘘のないチーム」…
必ず、彼らの口から素晴らしい価値観が出てくるはずです。
ステップ2:ルールは「5つまで」に絞り込み、全員で言語化する
たくさん出た意見を、5つ程度(多くても7つ)のシンプルな「言葉」に集約します。
これはリーダーが主導して構いません。
「私たちのチームの約束(クレド)」として、全員が見える場所に掲示します。
自分たちで決めたルールだからこそ、メンバーは「守らされている」ではなく「守りたい」という当事者意識を持ちます。
ステップ3:リーダーが誰よりも「率先」してそのルールを守る
文化を定着させる最大の鍵は、リーダーの「率先垂範」です。
リーダーが平気で陰口を叩き、誠実さに欠ける行動をしていれば、どんな立派なクレドも形骸化します。
ルールを守ることに、誰よりもストイックになる。
その「背中」が、最強のルールブックとなります。
ステップ4:違反者が出た時は「罰する」のではなく「対話し、軌道修正する」
ルール違反者が出た時こそ、リーダーの腕の見せ所です。
人前で吊し上げるのは最悪です。
1on1の場で、「なぜ、私たちはあの約束を大切にしているんだっけ?」と、原点(価値観)に立ち返る「対話」をしてください。
「罰」ではなく「軌道修正」と「再確認」の機会として捉えるのです。
「たった3つの約束」で最強の組織を作ったQリーダー

「私たちのチームの約束」が、メンバーの誇りになった
Qリーダーのチームは、かつてPリーダー(エピソード1参照)の厳格なルールによって崩壊寸前でした。チームを引き継いだQリーダーは、まずPリーダーが作った20箇条のルールブックを破り捨てました。そしてメンバーにこう問いかけました。「私たちが本当に守りたい、たった一つの価値観は何?」。議論の末、チームで決まったのは「嘘をつかない(誠実さ)」でした。Qリーダーはさらに問いかけました。「仲間に対しては?」「楽しむことは?」。最終的に、チームのルールは「1. 嘘をつかない」「2. 仲間を助ける(GIVE)」「3. 全力で楽しむ」という、たった3つの「約束」になりました。このシンプルな価値観が浸透するにつれ、チームの空気は劇的に改善。メンバーは「このチームの約束が好きだ」と誇りを持ち、自発的に行動するようになり、組織は過去最高の業績を達成しました。
信頼の文化こそが継続報酬型WEBビジネスの基盤
Qさんのチームのような強固な信頼文化は、特にWebを活用した[継続報酬型WEBビジネス]において最強の資産となります。なぜなら、Web上でのコミュニケーションは顔が見えない分、些細なことで信頼が崩れやすいからです。しかし、「共通の価値観(マインドセット)」という強力なOSがインストールされていれば、物理的な距離があってもメンバーは同じ方向を向き続けます。ルールで縛られた組織は、リーダーが見ていなければサボりますが、文化で繋がった組織は、リーダーが見ていなくても自走します。これこそが、真の継続報酬を生み出す組織の姿です。
まとめ:ルールは「鎖」ではなく「羅針盤」である

ルール作りは、チームの首を絞める鎖を作ることではありません。
チームが道に迷った時に、立ち返るべき「羅針盤(コンパス)」を作ることです。
ルールは、自由になるために存在する
「あれもダメ、これもダメ」と不自由になるためではありません。
「これさえ守っていれば、あとは自由にやっていい」
「この範囲内なら、何をしても安全だ」
ルールは、メンバーが安心して、自由に、最大限のパフォーマンスを発揮するために存在するのです。
リーダーの仕事は「監視」ではなく「体現」
メンバーを監視する「警察官」になるのはやめましょう。
リーダーの仕事は、チームで決めた「価値観」を、誰よりも魅力的に「体現」する「ロールモデル」になることです。
「リーダーみたいになりたい」
そう思わせることこそが、最強のチームビルディングです。
あなたのチームが「大切にしたい価値観」は何か?
さあ、次のミーティングで、あなたのチームに問いかけてみてください。
「私たちは、どんなチームでありたい?」




