「なんで私が教えた通りにできないの?」
「私と同じ熱量で動いてくれたら、絶対に結果が出るのに…」
MLMで一定の成功を収めたリーダーほど、伸び悩むダウンラインを見て、こんな風に感じてしまうことがあります。
あなたのやり方が間違っているわけではありません。
むしろ、そのやり方で成功してきたという自負があるからこそ、「自分と同じことができる人間(=自分のコピー)」を増やしたいと願うのは自然なことです。
しかし、はっきり申し上げます。
MLMにおいて「自分のコピー」を作ろうとする努力は、多くの場合、組織を弱体化させ、崩壊へと導く危険な行為です。
あなたが目指すべきは、あなたの「劣化コピー」の量産ではなく、メンバーそれぞれの個性が輝く「最強のチーム」作りです。
この記事でわかること
- 「自分のコピー」を作ろうとする組織が陥る危険な罠
- 人ではなく「仕組み」を複製する、真のデュプリケーションとは
- メンバーの多様性を活かし、自分を超えるリーダーを育てる方法
なぜMLMで「自分のコピー」を作ろうとすると失敗するのか?

多くのリーダーが「デュプリケーション=自分のコピーを作ること」と誤解しています。
しかし、このアプローチには致命的な欠陥があります。
あなたと全く同じ人間はこの世に一人もいないから
当たり前のことですが、メンバーはあなたではありません。
育った環境、性格、得意なこと、苦手なこと、使える時間、人脈…すべてが違います。
外交的で話すのが得意なあなたの成功パターンを、内向的で聞くのが得意なメンバーに押し付けても、うまくいくはずがありません。
それは、魚に木登りを強要するようなものです。
「カリスマ性の複製」は不可能であり、再現性がない
もしあなたが、圧倒的なトーク力や人を惹きつけるカリスマ性で成功してきたのなら、なおさら危険です。
なぜなら、「才能」や「センス」に依存するやり方は、普通の人には再現できないからです。
再現性のない方法を「努力不足だ」と言って押し付ければ、メンバーは疲弊し、自信を失って去っていきます。
コピーを強要すると、メンバーの「個性」と「やる気」が死ぬ
「私の言う通りにやりなさい」という指導は、メンバーから「自分で考える力」を奪います。
自分のアイデアや工夫を否定され続けたメンバーは、やがて完全に思考停止し、あなたの指示がなければ何もできない「指示待ちロボット」になってしまいます。
これでは、組織の活力は失われる一方です。
危険信号! 自分のコピーばかりの「金太郎飴組織」が脆い理由

仮に、あなたのコピーを作ることに成功したとしましょう。
どこを切ってもあなたと同じ顔が出てくる「金太郎飴」のような組織は、一見統制が取れているように見えますが、実は非常に脆いのです。
リーダーの「弱点」までもが組織全体に複製されてしまう
あなたにも必ず弱点があるはずです。
例えば、「攻めは強いが守り(フォロー)が弱い」「対面は得意だがWebが苦手」など。
自分のコピーばかりの組織では、このリーダーの弱点までもが増幅されてしまいます。
全員が同じ場所でつまづき、同じ壁にぶつかるため、組織としての対応力が著しく低くなります。
変化に対応できない「思考停止集団」になるリスク
時代は常に変化しています。
かつて通用したあなたの成功法則が、明日も通用するとは限りません。
もし組織全員があなたのコピーなら、あなたのやり方が時代遅れになった瞬間、組織全体が共倒れになります。
多様な視点を持たない組織は、変化への適応力がなく、生き残ることができません。
【体験談】「私流」を押し付けてエース候補を潰した過去
私にはかつて、非常に分析力が高く、論理的な説明が得意なダウンがいました。
しかし、当時の私は「MLMは理屈じゃない!情熱だ!」という感情訴求型のスタイルで成功していたため、彼にも同じやり方を強要しました。
「もっと熱く語れ!」「データなんて見せるな!」
彼は私の指示に従おうと必死に努力しましたが、本来の良さが完全に消え、全く成果が出なくなりました。
結局、彼は「自分には向いていない」と言い残して辞めていきました。
私が彼の「論理的」という素晴らしい個性を活かす道を示せていれば…と、今でも悔やまれます。
【パラダイムシフト】目指すべきは「人の複製」ではなく「仕組みの複製」

では、MLMにおける正しいデュプリケーションとは何でしょうか。
それは、「人」をコピーすることではなく、「結果が出る仕組み」をコピーすることです。
真のデュプリケーションとは「誰がやっても同じ結果が出る」こと
目指すべきは、スーパーマンを量産することではなく、普通の人が普通に取り組んでも、一定の成果が出るシステムを作ることです。
「このツールを使って、この手順で説明すれば、誰でも70点の結果が出せる」。
この再現性の高さこそが、組織拡大の鍵です。
あなたの「スゴ技」ではなく、誰でも使える「ツール」を広めよ
あなたが素晴らしいプレゼンができるなら、それを録画した動画をツールとして使いましょう。
メンバーは、自分で完璧なプレゼンをする必要はなく、「この動画を見てね」と案内するだけで良くなります。
個人の能力に依存しない「ツール」を活用することで、誰でもあなたと同じクオリティの情報を伝えることが可能になります。
優秀なリーダーほど自分の存在を「黒子」にする
「私がすごい」と思われているうちは、二流のリーダーです。
「私にもできそう」と思わせるのが、一流のリーダーです。
あえて自分の能力を封印し、誰にでもできる簡単なこと(ツールの活用、イベントへの動員など)を徹底して見せる。
リーダーが「黒子」に徹することで、メンバーは「これなら自分にもできる」と自信を持ち、動き出すのです。
「自分のコピー」を作らずに強いチームを育てる具体策

コピーを作らないなら、どうやって人を育てればいいのか。
その答えは、それぞれの「強み」にフォーカスすることです。
メンバーの「自分らしさ(強み)」を発見し、それを伸ばす
メンバー一人ひとりをよく観察し、何が得意で、何が好きなのかを見極めましょう。
話すのが苦手でも、聞くのが上手な人には「ヒアリングの達人」としての役割を。
細かい作業が得意な人には「チームの事務局長」としての役割を。
それぞれの強みをパズルのように組み合わせることで、一人では成し得ない大きな成果を生み出すことができます。
成功パターンを複数用意し、選択肢を与える
成功への道は一つではありません。
「対面アポ取り型」「SNS集客型」「イベント動員型」など、複数の成功パターンを用意し、メンバーに選ばせてみてください。
自分で選んだ方法は納得感があり、モチベーションも高く維持できます。
共通言語(基本理念)だけは徹底的にコピーする
やり方は自由でいいですが、チームとしての「理念」や「価値観(何を大切にするか)」だけは、全員で共有し、徹底的にコピーする必要があります。
ここがブレると、組織はバラバラになってしまいます。
「多様な戦術」を認めつつ、「一つの理念」で結ばれている状態が理想です。
多様性こそが最強の武器! コピーを作らない組織が手にする未来

自分のコピー作りをやめた先には、想像以上に豊かで強力なチームが待っています。
互いの弱点を補い合える、しなやかで強いチーム
多様な個性を持ったメンバーが集まれば、誰かの苦手なことを他の誰かが得意なことでカバーできます。
あなたの弱点も、チームメンバーが補ってくれるでしょう。
完璧な個人はいませんが、完璧なチームは作ることができるのです。
あなたを超える「異能のリーダー」が誕生する可能性
枠にはめ込むことをやめれば、あなたの想像を超える能力を持ったリーダーが誕生する可能性があります。
あなたとは全く違うアプローチで、あなた以上の成果を出すメンバーが現れるかもしれません。
それこそが、MLMの醍醐味であり、レバレッジの真髄です。
例えば、あなたが苦手なWebマーケティングの分野で才能を発揮するメンバーが現れ、継続報酬型WEBビジネスのような新しい仕組みをチームにもたらしてくれるかもしれません。
自分と違う才能を認め、称賛できるリーダーの元にこそ、真の成功者が集まります。
【体験談】自分と真逆のタイプがチームを救った話
私のチームに、口下手で人見知りな主婦の方がいました。
以前の私なら「向いていない」と判断したでしょう。
しかし、彼女はSNSでのコツコツした発信が非常に得意でした。
私は彼女に「無理にセミナーで話さなくていい。その代わり、SNSでのファン作りを極めてみて」と伝えました。
すると半年後、彼女のSNSから質の高い問い合わせが殺到。
私のような「体育会系」のノリが苦手だった層を、彼女が見事に取り込んでくれたのです。
自分のコピーを作ろうとしていたら、絶対に出会えなかった新しい顧客層でした。
まとめ:MLMで自分のコピーを作らない決断が、真の自由への第一歩

あなたはすでに素晴らしいリーダーです。
だからこそ、もう自分を証明するために「自分のコピー」を増やす必要はありません。
勇気を持って、自分とは違うメンバーの個性を認めてください。
「私みたいになりなさい」ではなく、「あなたらしく輝きなさい」と伝えてください。
彩り豊かなメンバーが、それぞれの色で輝きながら、一つの大きな絵を描いていく。




