「隣のチームの〇〇さんが、またタイトルアップしたらしい…」
「うちのチームのノウハウは、絶対に他のグループには教えるなよ」
「クロスラインとは、関わらないのが一番。下手に交流すると、トラブルの元になるかもしれないし…」
あなたは、無意識のうちに、自分のチームと他のチームとの間に、見えない「壁」を築いてしまっていませんか?他のチームの成功を「脅威」と捉え、情報を囲い込み、自分の「城」を守ることばかりに腐心する。
その“内向き”なリーダーシップが、皮肉にも、あなたのチームの成長を阻害し、あなた自身の器を小さくしてしまっているとしたら…?
この記事は、「自分のチームさえ成功すればいい」という“内向き”な思考の限界を感じ、より大きな視点での成功を模索し始めた、あなたのために書かれました。なぜ、本当に成功しているトップリーダーほど、自分の系列だけでなく「横のつながり」を驚くほど大切にするのか。

「競争」から「共創」へ。あなたのリーダーシップの器を広げ、組織全体の成功を自らの力に変える、新しい時代のチームビルディング術を、今こそ手に入れてください。
この記事でわかること
- なぜ「自分のチームだけ」を考えるリーダーが、長期的には成功できないのか
- 「横のつながり」を育むことが、巡り巡って自分のチームを最強にするメカニズム
- 系列の垣根を越え、組織全体の“キーパーソン”になるための具体的な5つの行動
あなたのチームは“タコつぼ”化していないか?「サイロ・メンタリティ」の危険な兆候
「サイロ」とは、本来、穀物を貯蔵するための孤立した塔のことです。組織論では、他の部門と連携せず、自部門の利益だけを追求する、閉鎖的な状態を「サイロ化」と呼びます。
あなたのチームは、気づかぬうちに、この危険な“タコつぼ”状態に陥っていませんか?
兆候1【情報のガラパゴス化】:同じ情報だけが循環し、新しい知識や視点が入ってこない
あなたのチームのミーティングで話される内容は、いつも同じアップラインから流れてくる、同じ情報ばかりではありませんか?
外部からの新しい知識や、異なる成功事例、失敗事例といった「異質な情報」が遮断されたサイロの中では、思考は均質化し、やがてマンネリ化します。
外部環境が刻一刻と変化しているのに、自分たちだけが時代遅れの戦術に固執し続ける「情報のガラパゴス化」は、組織にとって致命的な病です。
兆候2【ネガティブな競争意識】:他のチームの成功を素直に喜べず、失敗を願ってしまう
「隣のチームが大きなイベントに失敗したらしい」という噂話に、心のどこかで安堵したり、喜んだりしてしまっている自分はいませんか?
他のチームを「ライバル」や「敵」と見なす思考は、あなたの視野を狭め、心を貧しくします。本来、同じ会社の製品と理念を広める「同志」であるはずの仲間を蹴落とそうとする文化からは、決して偉大な成功は生まれません。
専門家の視点:組織論における「サイロ・エフェクト」が、いかにイノベーションを阻害するか
経営学や組織論では、「サイロ・エフェクト」が組織の成長を阻害する大きな要因だと指摘されています。
部門間の壁が厚い大企業が、部門の垣根を越えた連携を得意とするスタートアップに敗れるのは、この典型例です。
サイロ化は、情報の流れを止め、セクショナリズムを助長し、新しいアイデアや協力関係が生まれる土壌を完全に破壊してしまうのです。
“鎖国”して、沈んでいった私のチーム
私は、自分のチームのノウハウに絶対の自信を持っていた。だから、メンバーには「他のグループのセミナーには行くな。情報は、このチームの中だけで完結させる」と固く命じていた。私たちは、いわば“鎖国”状態だった。
最初は、その排他性が結束力を高めているように見えた。しかし、1年後、私たちの成長は完全に止まった。市場はオンラインでの集客が主流になっているのに、私たちは旧態依然としたオフラインのやり方に固執し続けていたからだ。
気づけば、以前は「ライバル」として見下していた、オープンに交流していた他のチームに、売上も、メンバーの数も、そして何より活動の“楽しそうな雰囲気”も、全て追い抜かれていた。高い壁を築いて守っていたのは、宝物ではなく、ただの時代遅れのガラクタだったのだ。
なぜ、トップリーダーは“GIVE”を惜しまないのか?
不思議に思ったことはありませんか?会社のトップリーダーと呼ばれる人たちほど、自分の系列の垣根を越えて、他のチームのメンバーに対しても、驚くほど親切に、そして惜しみなく、自分の知識や経験をGIVEしていることを。
彼らは、お人好しなのでしょうか?いいえ、違います。彼らは、「横のつながり」を育むことが、巡り巡って、自分自身と自分のチームに、計り知れない利益をもたらすことを、戦略的に理解しているのです。
メリット1【知見の交換】:多様な成功事例と失敗事例が、あなたのチームの戦略を豊かにする
あなたのチームの成功体験は、たかだか一つのサンプルにすぎません。しかし、10のチームと交流すれば、10倍の成功事例と、そして何より貴重な10倍の「失敗事例」を、疑似体験することができます。
他者の失敗から学ぶことほど、効率的な学習はありません。横のつながりは、あなたのチームが、無駄な失敗を回避し、成功への最短ルートを見つけ出すための、最高の“集合知”となるのです。
メリット2【モチベーションの伝播】:他のチームの熱量が、あなたのチームの“着火剤”となる
あなたのチームがスランプに陥っている時でも、隣のチームは勢いに乗っているかもしれません。
合同で勉強会を開催したり、勢いのあるチームのリーダーにゲストスピーカーとして話してもらったりすることで、そのポジティブなエネルギーは、あなたのチームにも確実に伝播します。モチベーションは、人から人へと燃え移る「火」なのです。
メリット3【影響力の拡大】:系列を超えて「あのリーダーに相談したい」と思われる存在になる
あなたが、系列の垣根を越えてGIVEを続けることで、組織全体に「〇〇リーダーは、いつも有益な情報をくれる、信頼できる人だ」という評判が広がります。
この「系列を超えた影響力」こそが、あなたを単なる一グループのリーダーから、組織全体のキーパーソンへと押し上げる、最強の無形資産となるのです。
パラダイムシフト:「城」を築くリーダーから、「広場」を創るリーダーへ
「横のつながり」を活かすために、リーダーであるあなたは、チームに対する根本的な考え方を、大きく転換させる必要があります。
あなたの仕事は、自分のチームを囲い込む「城壁」を高くすることではない
これまでのリーダーシップは、自分のチームという「城」を築き、その城壁を高くし、外部の敵から守り、城内の富を独占することでした。しかし、この「籠城」戦略は、情報が瞬時に行き交う現代においては、もはや時代遅れです。
あなたの仕事は、多様な人々が自然と集い、交流し、新しい価値が生まれる「広場」を創ることだ
これからのリーダーに求められるのは、人々が自由に情報交換し、新しい出会いが生まれ、コラボレーションが誘発される、開かれた「広場(プラットフォーム)」を創造し、運営する能力です。
あなたのチームが、その“広場”の中心となり、最も価値ある情報と、最も魅力的な人々が集まる場所になれば、あなたのチームは、自然と組織全体の中心として、繁栄していくのです。
【実践編】「横のつながり」を最強の資産に変える5つのステップ
では、具体的にどうすれば、この「広場」を創り出すことができるのでしょうか。重要なのは、誰かが始めるのを待つのではなく、あなた自身が「最初のGIVER」になることです。
「共創」を生み出す5つのステップ
- STEP1【最初のGIVERになる】:まず、あなたから他のチームのリーダーに、価値ある情報や称賛を“与える”
SNSで、クロスラインのメンバーの素晴らしい投稿を、称賛のコメントと共にシェアする。自分が読んで勉強になった本の要約を、リーダーのグループチャットで共有する。見返りを一切期待せず、まずあなたから、価値の提供を始めましょう。 - STEP2【小さな合同勉強会を企画する】:製品知識の共有会など、競争が生まれにくいテーマから始める
いきなり合同で勧誘セミナーを開くのは、ハードルが高いかもしれません。まずは、「新製品の成分勉強会」や、「コンプライアンスの勉強会」など、お互いのビジネスに直接的な競争が生まれにくいテーマで、小さな合同勉強会を企画し、声をかけてみましょう。 - STEP3【“共通の敵”を設定する】:組織全体の目標達成や、社会貢献活動など、共に戦えるテーマを見つける
心理学的に、人は「共通の敵」を持つと、一体感が生まれます。その敵は、隣のチームではありません。「会社全体の年間目標の達成」や、「製品を通じた地域へのボランティア活動」など、系列を超えて協力できる、より大きな“共通の目標”を設定し、共に戦う仲間としての意識を育みます。 - STEP4【クロスラインの成功を“我が事”として祝福する】:SNSやミーティングで、他のチームの成功を積極的に紹介し、称賛する
他のチームの誰かがタイトルアップした時、自分のチームのミーティングで、「〇〇グループの△△さんが、こんな素晴らしい成果を出されました!同じ会社の仲間として、本当に誇らしいですね!」と、心から祝福し、その成功要因を分析・共有します。 - STEP5【若手リーダー同士を繋げる】:次世代のリーダーたちが、系列を超えた友情を育む場をセッティングする
あなた自身の人間関係だけでなく、あなたのチームの次世代リーダー候補と、他のチームの若手リーダーとが交流できる場を、意図的に作りましょう。彼らが若いうちから系列を超えた友情を育むことが、組織の未来にとって、最も価値ある投資となります。
【応用編】健全な“境界線”を保ちながら、協力関係を築く
オープンな姿勢は重要ですが、それは無防備であることとは違います。健全な協力関係を築くためには、明確な「境界線」も必要です。自分のチームの時間を守るため、GIVEばかりを要求してくるTaker(テイカー)とは、上手に距離を置く。
ダウンラインの引き抜きや、一方的な顧客の奪い合いといった、倫理に反する行為に対しては、毅然とした態度で臨む。これらの健全な境界線を保つことが、長期的に良好な協力関係を維持する秘訣です。
また、個人の発信力を高め、外部から人を惹きつける継続報酬型WEBビジネスのような仕組みを持つことは、他者との健全な距離感を保ちながら、自分のビジネスを成長させる上でも、有効な戦略となり得ます。
“広場”を作ったら、人が集まってきた
“鎖国”の失敗から学んだ私は、全く逆のことを始めた。まず、私がここ数ヶ月で学んだSNSマーケティングの知識を、惜しみなくリーダーのグループチャットで共有し続けた。
最初は無反応だったが、数週間後、一人のクロスラインのリーダーから「その話、もっと詳しく聞かせてくれませんか?」とDMが来た。それをきっかけに、私たちは小さな合同勉強会を開いた。その勉強会は、回を重ねるごとに参加者が増え、いつしか会社全体で最も熱量のある「広場」になっていた。
私は、自分のチームのノウハウを独占するのをやめ、組織全体の知識レベルを上げることに貢献した。その結果、どうなったか?私のチームは、「あの価値ある広場を創ったリーダーのチームだ」と、組織全体から尊敬され、多くの優秀な人材が「あなたの下で学びたい」と集まってくる、最も魅力的なチームの一つになっていたのだ。
まとめ:大海で成功するのは、孤立した船ではなく、協力し合う“船団”である
ネットワークビジネスという大海原で、あなたのチームという一隻の船だけで、巨大な嵐を乗り越え、宝島にたどり着くのは、至難の業です。
しかし、もし、あなたの周りに、情報を交換し、互いを励まし、時には助け合う、多くの仲間たちの船(クロスライン)がいたらどうでしょうか。その「船団」は、どんな嵐にも負けない、無敵の力を持つはずです。
ライバルは、隣のチームではありません。本当のライバルは、昨日までの、内向きで、視野の狭い自分自身です。城壁を壊し、広場を創り、孤立した船から、信頼できる船団へ。


