「『絶対にやります!人生変えます!』と目を輝かせて登録してくれたのに、翌日からLINEが既読スルー…。」
「資料を渡して『読んでおいてね』と言ったきり、音信不通になってしまった。」
あなたは今、せっかくリクルートした新人が、活動を始める前に消えてしまう「幽霊部員化」に悩んでいませんか?
これは、新人のやる気の問題ではありません。
リーダーであるあなたが、鉄が最も熱いタイミングである「登録直後の72時間」を放置してしまったことが原因です。
人間のモチベーションは、登録した瞬間がピークであり、そこからは秒単位で冷めていきます。
この「冷却期間」に何をさせるかで、その後のメンバーの運命は決まります。
この記事では、新人の心を繋ぎ止め、自走モードへと導くための「スタートアップ・プログラム(オンボーディング)」について解説します。
「勉強してから」ではなく「動きながら学ぶ」。
この記事でわかること
- 【心理学】なぜ翌日になるとやる気が消えるのか?脳が引き起こす「バイヤーズ・リモース(買った後の後悔)」の正体
- 【戦略】いきなり山に登らせるな。挫折を防ぐために最初に与えるべき「スモールウィン(小さな成功)」とは
- 【自動化】リーダーが寝ている間も新人を教育し、不安を取り除くWebシステムの活用術
なぜ、鉄は熱いうちに打たなければならないのか?「バイヤーズ・リモース」の恐怖

マーケティングの世界には「バイヤーズ・リモース(Buyer’s Remorse)」という言葉があります。
高額な商品を買った直後に、「本当にこれで良かったのだろうか?」「騙されたんじゃないか?」と急激に不安になり、後悔する心理現象のことです。
人間のモチベーションには「賞味期限」がある。家に帰ると冷静になる脳の仕組み
セミナー会場やZoomでは、場の熱気に当てられてテンションが上がっています。
しかし、家に帰り、一人になり、冷静になると、脳のホメオスタシス(恒常性維持機能)が働き始めます。
「やっぱり私には無理かも…」
「毎月のお金、払えるかな…」
この不安は、登録から時間が経てば経つほど増幅します。
特に最初の「72時間(3日間)」が勝負です。
この間に具体的なアクションを起こさせ、不安を払拭させなければ、その新人は高い確率でフェードアウトします。
モチベーションは生ものです。冷蔵庫に入れても保存できません。
ドリームキラー(家族)の攻撃は、登録したその夜にやってくる
さらに恐ろしいのが、家に帰った直後に待ち受けている「家族(ドリームキラー)」の存在です。
「今日、新しいビジネスを始めたんだ!」と報告した瞬間、「はあ?騙されてるんじゃないの?クーリングオフしなさい!」と猛反対される。
これが入会直後の「あるある」です。
まだ知識も確信もない新人は、家族の反対に論理的に反論できません。
その結果、「やっぱり辞めます」というLINEが、翌朝あなたに届くことになるのです。
これを防ぐには、家に帰る前に「ワクチン(免疫)」を打っておく必要があります。
【体験談】「まずは資料を読んでおいて」と放置し、有望な新人を自然消滅させたOさんの失態

ここで、新人の自主性に任せすぎて失敗したOさんの事例を紹介します。
「優しさ」が「無関心」と受け取られてしまったケースです。
「勉強熱心な子だから大丈夫」という油断
Oさんは、真面目そうな若者S君をリクルートしました。
S君は「しっかり勉強してから動きたいです」と言ったので、Oさんは大量の資料と動画URLを渡し、「まずはこれを読んでおいてね。読み終わったら連絡して」と伝えました。
Oさんは「S君のペースを尊重しよう」と思い、こちらからの連絡を控えました。
しかし、3日経っても、1週間経っても連絡はありません。
10日後、Oさんが恐る恐る連絡すると、S君から返信が来ました。
「資料を読めば読むほど、自分には難しそうだと感じました。自信がなくなったので辞退します」
Oさんは愕然としました。
資料を渡して放置したことで、S君は一人で悩み、一人で不安を募らせ、一人で諦めてしまったのです。
「勉強してから」ではなく「やりながら覚える」ように並走していれば、S君は素晴らしいリーダーになっていたかもしれません。
最初のゴールは「契約」ではない。「スモールウィン(小さな成功)」だ

新人にいきなり「アポを取れ」「契約を取れ」と言ってはいけません。
富士山の麓にいる人に、「山頂まで走れ」と言うようなものです。
足がすくんで動けなくなります。
いきなり山に登らせるな。まずは「靴紐を結べたこと」を褒めちぎれ
最初のゴールは、もっともっと低いハードルに設定します。
これを「スモールウィン(小さな勝利)」と言います。
- 「会員サイトにログインできた」
- 「LINEグループに『よろしくお願いします』と挨拶できた」
- 「製品を注文できた」
こんな些細なことでいいのです。
タスクを完了した瞬間に、「すごい!行動が早いね!」「完璧だよ!」と全力で褒めてください。
「できた!」という達成感を与えることが目的です。
「私にもできる!」という自己効力感さえあれば、人は勝手に走り出す
人は「自分には能力がある(自己効力感)」と感じた時、初めて次のステップに進もうと思います。
逆に、最初のステップでつまずくと「私には向いていない」と全否定してしまいます。
だからこそ、最初の72時間は「絶対に失敗しようがないタスク」を与え、それをクリアさせることで自信をつけさせることが重要なのです。
成功体験の積み重ねだけが、人を育てます。
Webシステムなら「空白の3日間」を埋められる。自動教育の威力

とはいえ、リーダーも24時間つきっきりでケアすることはできません。
そこで活躍するのが、Webシステムです。
リーダーが寝ている間も、ステップメールが新人の不安を取り除く
登録直後に、自動的に「ウェルカム・メール(ステップメール)」が届くように設定しておきます。
- 1日目:「登録おめでとうございます!まずはこちらの動画をご覧ください」
- 2日目:「ご家族に反対されませんでしたか?それはこういう理由なんです(ドリームキラー対策)」
- 3日目:「最初の成功体験を作りましょう。まずはこのワークをやってみて!」
このように、新人が抱えがちな不安を先回りして解消するコンテンツを自動配信することで、リーダーが寝ている間も新人のモチベーションを維持できます。
登録直後に「ウェルカム動画」を見せることで、熱量をキープする
文字を読むのが苦手な人のために、動画を用意するのも効果的です。
トップリーダーからの熱いメッセージ動画を見せることで、登録時の興奮を呼び覚まします。
もしあなたが、自分一人の力で全員の「魔の72時間」をケアすることに限界を感じているなら、継続報酬型WEBビジネスのような、新人教育がシステム化された環境を活用すべきです。
このシステムがあれば、新人は孤独を感じることなく、動画やメールのガイドに従って「初めの一歩」を踏み出すことができます。
リーダーは、システムが進捗を報告してくれるのを見て、「順調だね!」と声をかけるだけで済むのです。
【体験談】登録完了から5分後に「最初のタスク」をやらせ、初月で成果を出させたPさんの鬼速マネジメント

Oさんとは対照的に、鉄が熱いうちに叩くことで、新人を即戦力に変えたPさんの成功事例を紹介します。
「家に帰る前に、これだけやって!」
Pさんは、新人が登録用紙を書いた直後、その場のカフェでこう言いました。
「おめでとう! これで仲間だね。じゃあ、家に帰る前に一つだけやってほしいことがあるんだ」
Pさんは、その場で新人のスマホを取り出し、一緒にLINEグループへの挨拶文を作成させ、送信ボタンを押させました。
そしてすぐにグループメンバーからの「ようこそ!」「歓迎します!」というスタンプの嵐を見せました。
「わあ、すごい歓迎されてる!」
新人は感動しました。
さらにPさんは、「来週のスケジュール、どこが空いてる? 初回オリエンテーションの日程を今決めちゃおう」とその場で次のアポを確定させました。
新人は「歓迎された喜び」と「次の予定」を持って帰宅したため、家族に反対されても「でも、あんなに歓迎してくれたし、来週約束もあるし」と揺らぐことはありませんでした。
Pさんの「即座の巻き込み」が、新人の離脱を防いだのです。
今日から即実践!新人をロケットスタートさせる3つのステップ

新人が入ったら、以下の3つを「登録後24時間以内」に実行してください。
これができるかどうかで、定着率は天と地ほど変わります。
1. 【即時】登録直後に「なぜやるのか(Why)」を再確認し、言語化させる
登録作業が終わった瞬間が、モチベーションの最高潮です。
その瞬間に聞いてください。
「このビジネスで、何を実現したいんだっけ?」
「借金を返したい」「家族と旅行に行きたい」。
その熱い想いを、自分の口で言わせ、紙に書かせてください。
これが、家に帰って冷めそうになった時の「アンカー(錨)」になります。
「あの時、あんなに熱く語ったじゃないか」と、自分自身との約束を思い出させるためです。
2. 【環境】「LINEグループへの挨拶」など、失敗しようのないタスクをその場でやらせる
Pさんの事例のように、簡単なアクションをその場で完了させてください。
・アプリをダウンロードする
・グループチャットに参加する
・お気に入りの動画を一つ見る
「あ、これなら簡単だ」と思わせることが重要です。
最初のハードルは、またげば越えられるくらい低く設定してください。
3. 【約束】「48時間以内に初回ミーティングをする」アポをその場で取る
絶対に「また連絡するね」で別れてはいけません。
その場で次のアポ(初回オリエンテーション)の日時を決めてください。
理想は48時間以内です。
「鉄が冷める前」に再び会い、具体的な活動計画を立てる。
このスピード感が、新人を「考える隙」を与えずに「行動モード」へと移行させます。
空白の期間を作らないことが、離脱防止の鉄則です。
まとめ:スタートダッシュで躓かせなければ、あとは勝手に走っていく

自転車は、漕ぎ出しが一番重いものです。
一度スピードに乗ってしまえば、あとは軽くペダルを回すだけで進んでいきます。
新人教育も同じです。
最初の「漕ぎ出し(72時間)」さえリーダーが全力でサポートしてあげれば、あとは慣性の法則で勝手に走り出します。
放置は罪です。



