「ミーティングに毎回遅刻してくるメンバーがいるけど、注意して辞められたら困るし…。」
「ネガティブな発言をする人に『それはダメだ』と言いたいけど、空気が悪くなるのが怖い。」
あなたは今、リーダーとして「嫌われたくない」という恐怖心から、見て見ぬふりをしていませんか?
その気持ち、痛いほどよく分かります。
せっかく入ってくれたメンバーです。できるだけ優しく接して、長く続けてほしいと思うのは当然です。
しかし、断言します。
あなたのその「優しさ」という名の「弱さ」が、組織を内側から腐らせています。
ダメなものをダメと言えないリーダーの下では、真面目にやっている人が馬鹿らしくなり、一番最初に辞めていきます。
叱ることは、相手を攻撃することではありません。
相手の成長を信じ、軌道修正をしてあげる「愛のギフト」です。
この記事では、組織崩壊の引き金となる「割れ窓理論」の恐怖と、相手のプライドを傷つけずに正しく叱るための心理テクニック「ハンバーガー話法」を伝授します。
この記事でわかること
- 【理論】「たった一人の遅刻」を見逃すと、なぜ組織全体がスラム化するのか?「割れ窓理論」の真実
- 【会話術】相手を不快にさせず、行動だけを劇的に変える魔法の伝え方「ハンバーガー話法」
- 【鉄則】「人前で褒め、陰で叱る」。信頼関係を深めながら規律を守るためのフィードバックの3原則
基準値を下げるな。「まあいいか」と許した瞬間に組織は腐り始める

組織運営において最も重要なのは、売上目標の達成ではありません。
「基準値(スタンダード)」の維持です。
「これくらいなら許されるだろう」という甘えが生まれた瞬間、組織の崩壊は始まっています。
「割れ窓理論(ブロークン・ウィンドウズ)」。たった一枚の割れた窓ガラスが、街全体をスラム化させる
犯罪心理学に「割れ窓理論」という有名な説があります。
建物の窓ガラスが1枚割れているのを放置すると、
「あ、ここは管理されていないんだ。もっと割っても大丈夫だ」
という心理が働き、やがて全ての窓が割られ、落書きが増え、最終的にその街全体が犯罪の温床(スラム)になるという理論です。
これはチームビルディングでも全く同じです。
たった一人の「遅刻」をリーダーが笑って許すと、
「あ、このチームは時間は守らなくていいんだ」
という空気が伝染し、次は「宿題未提出」、その次は「欠席」、最終的には「音信不通」が当たり前の組織になります。
小さな綻び(ほころび)を放置することは、組織全体をスラム化させる共犯者になることと同じなのです。
遅刻を許すリーダーは「遅刻してもいい組織」を作っているのと同じ
リーダーの行動(許容)は、すべて組織の「ルール」になります。
- あなたが遅刻を許せば、「ここは遅刻OKのチーム」になります。
- あなたが愚痴を聞いてあげれば、「ここは愚痴大会OKのチーム」になります。
「厳しいことを言って辞められたらどうしよう」と恐れないでください。
規律を守れない人が辞めるのは、組織にとっては「浄化(デトックス)」です。
むしろ、規律を守れない人を残すことで、規律を守っている優秀なメンバーが「ここはぬるま湯だ」と愛想を尽かして去っていくことの方が、何倍も恐ろしい損失なのです。
ここに注意!
基準値は、一度下げると上げるのに10倍のエネルギーが必要です。
最初から「ここはプロの集団である」という高い基準を示し、それを守らせることが、結果的に一番楽なマネジメントになります。
【体験談】「辞められるのが怖い」と規律違反を放置し、真面目なメンバーから愛想を尽かされたSさんの教訓

ここで、嫌われることを恐れて「なあなあの関係」を続けた結果、大切な右腕を失ってしまったSさんの失敗事例を紹介します。
「優しさ」のはき違えが招いた崩壊
Sさんのチームには、ムードメーカーですが時間にルーズなB君がいました。
B君はミーティングに毎回10分ほど遅れてきます。
Sさんは「まあ、来てくれるだけありがたいか」と、「B君、また寝坊?(笑)」と笑って済ませていました。
しかし、それを冷ややかな目で見ていたのが、副リーダーで真面目なAさんでした。
Aさんは毎回5分前に行動し、資料も完璧に準備していました。
「SさんがB君を甘やかすから、他のメンバーも最近だらしないですよね」
Aさんは何度か忠告しましたが、Sさんは「まあまあ、楽しくやろうよ」と取り合いませんでした。
ある日、Aさんから退会の連絡が来ました。
「Sさんのチームは居心地はいいですが、成長できません。私は本気でビジネスをしたいので、もっと厳しい環境に行きます」
Aさんが抜けた後、チームの規律は完全に崩壊。
残ったのは、遅刻常習犯のB君と、やる気のないメンバーだけ。
Sさんは、腐ったリンゴ(B君)を守ろうとして、新鮮なリンゴ(Aさん)を腐らせてしまったのです。
「怒る(感情)」と「叱る(教育)」は別物。リーダーの愛が試される瞬間

注意できない人の多くは、「怒ること」と「叱ること」を混同しています。
この2つは、似て非なるものです。
怒るは「自分のため(ストレス発散)」、叱るは「相手のため(成長支援)」
- 怒る(Anger):自分の思い通りにならなくてイライラし、感情を相手にぶつける行為。
目的=自分のストレス発散。
結果=相手は萎縮し、反発する。 - 叱る(Scold):相手の将来のためを思い、改善点を指摘し、導く行為。
目的=相手の成長。
結果=相手は気づきを得て、感謝する。
あなたが感情的にならず、相手の未来を思って伝えるなら、それは「叱る」です。
愛のある叱責は、必ず相手に伝わります。
「言いにくいことを言ってくれる人」こそが、人生において最も貴重な存在だからです。
嫌われる勇気を持て。好かれようとする八方美人は、誰からも信頼されない
「好かれたい」と思っているリーダーは、誰からも信頼されません。
なぜなら、自分の保身しか考えていないことが透けて見えるからです。
メンバーは、あなたの「友達」になりたいのではありません。
成功へと導いてくれる「リーダー」を求めています。
時には鬼になってでも、ダメなことはダメと言う。
その「一貫性のある厳しさ」に、人は安心感と信頼を覚えるのです。
相手を不快にさせず、行動だけを変える魔法の「ハンバーガー話法」

とはいえ、頭ごなしに叱れば相手もへそを曲げます。
そこで使えるのが、心理テクニック「ハンバーガー話法(サンドイッチ話法)」です。
「言いづらいこと(肉)」を「ポジティブな言葉(パン)」で挟んで伝える技術です。
【パン(褒める)】+【肉(改善点)】+【パン(期待)】で挟んで伝える技術
いきなり本題(肉)に入ってはいけません。
以下のようにサンドイッチしてください。
- パン(承認・褒める):
「〇〇さん、最近アポ取りすごく頑張ってるね!行動量が増えてて素晴らしいよ。」
(まずは相手のガードを下げる) - 肉(改善点・指摘):
「ただ一点だけ、報告の連絡が少し遅い時があるよね。ここをもっと早くすると、さらに良くなると思うんだ。」
(短く、事実だけを伝える) - パン(期待・激励):
「〇〇さんなら絶対できるし、期待してるからさ。次から意識してみてね!」
(ポジティブに締める)
この順番で伝えると、相手は「認められた」という安心感の中で耳を傾けるため、指摘を素直に受け入れやすくなります。
「後味」が良いのが特徴です。
叱る時の鉄則。「人(Be)」を否定せず「事(Do)」を正す
叱る時は、絶対に「人格(Be)」を攻撃してはいけません。
「お前はダメなやつだ」「やる気がない」というのは人格否定です。
あくまで「行動(Do)」だけを指摘してください。
「あなたのことは信頼しているけど、今回の『遅刻という行動』は良くない」と切り分けること。
「罪を憎んで人を憎まず」の精神が、人間関係を壊さずに改善を促すポイントです。
Webシステムを「法律(ルールブック)」にすれば、人間が叱る必要は激減する

毎回毎回、口うるさく注意するのは疲れますよね。
そこで有効なのが、Webシステムの活用です。
システムを「感情のないルールブック」として機能させるのです。
人間が言うと「小言」だが、システムが言うと「ルール」になる
「宿題やった?」と人間が聞くと、「うるさいな」と思われます。
しかし、システムから「課題の提出期限が過ぎています」と自動通知が来たらどうでしょう?
相手は「あ、やらなきゃ」と素直に思います。
機械相手に怒る人はいないからです。
感情的な摩擦を避けたいなら、継続報酬型WEBビジネスのような、進捗管理機能がついたシステムを導入するのが賢い選択です。
「私が言ってるんじゃない、システムが決めてるんだ」というスタンスを取ることで、あなたは「小言を言うお母さん」にならずに済み、メンバーも「ルールだから従う」という規律が生まれます。
進捗管理をデジタル化し、数字という「客観的事実」に語らせる
「もっと頑張れ」というのは主観ですが、「今月のアポ数は目標の50%です」というのは客観的な事実です。
数字を突きつけられると、人は言い訳ができなくなります。
Webシステムで活動データを可視化し、数字に語らせることで、感情論抜きの建設的なフィードバックが可能になります。
【体験談】愛のある「カミナリ」で、天狗になっていたエースを目覚めさせたTさんの指導

厳しいことを言うことが、結果的に相手の人生を救うことになったTさんの事例を紹介します。
涙の説教が、最強の右腕を作った
TさんのチームのエースであるK君は、売上はトップでしたが、態度が横柄で、他のメンバーを見下す発言が目立っていました。
周囲からは「K君は扱いづらい」と不満が出ていました。
Tさんは決意し、K君を個別に呼び出しました。
最初はK君の実績を称えましたが(パン)、その後、真剣な眼差しでこう告げました(肉)。
「K、お前の売上は素晴らしい。でも、今のままじゃお前はリーダーにはなれない。人は実績だけじゃついてこない。お前のその態度が、どれだけ周りを傷つけているか気づいてるか?」
K君は反論しようとしましたが、Tさんの目には涙が浮かんでいました。
「俺は、お前に本当のトップリーダーになってほしいんだ。だから嫌われるのを承知で言ってるんだぞ!」
その本気の熱量(パン)に、K君は言葉を失い、やがて泣き崩れました。
「…すみません。調子に乗ってました」
翌日からK君の態度は一変。
謙虚にメンバーをサポートするようになり、名実ともに誰もが認めるリーダーへと成長しました。
「あの時、Tさんが本気で叱ってくれなかったら、僕は裸の王様で終わってました」
愛のある叱責は、一生の信頼関係を築くのです。
今日から信頼が増す!正しいフィードバックの3つのルール

最後に、叱ることに失敗しないための、具体的な3つのルールを提示します。
これを守れば、関係悪化のリスクは最小限に抑えられます。
1. 【場所】「人前で褒め、陰で叱る」。プライドを守ることが更生への近道
絶対にやってはいけないのが「公開処刑(人前で叱る)」です。
プライドを潰された相手は、内容そっちのけであなたを恨みます。
褒める時は、全員の前で盛大に褒める。
叱る時は、個室や個別のLINEで、こっそりと伝える。
「あなたのために、あえて皆の前では言わなかったんだよ」という配慮が伝われば、相手は反省しやすくなります。
2. 【タイミング】「後で言う」はNG。鉄は熱いうちに打て(その場で修正)
「あの時のあれだけど…」と1ヶ月後に言われても、「今さら言われても…」となります。
違和感を感じたら、その場、その瞬間、あるいは24時間以内に伝えてください。
早ければ早いほど、傷口は浅く済みます。
修正も簡単です。
「貯め込んでから爆発させる」のが一番最悪です。
3. 【未来志向】「なぜやった?」と過去を責めず、「次はどうする?」と未来を約束する
「なんで遅刻したの?」とWhyで聞くと、言い訳が返ってきます。
「次はどうすれば遅刻しない?」とHow(未来)を聞いてください。
「目覚ましを2個かけます」「前日は早く寝ます」。
解決策を相手の口から言わせ(コミットさせ)、
「よし、じゃあ次は期待してるよ!」と握手して終わる。
過去を蒸し返さず、未来の行動を変えることだけに集中してください。
まとめ:厳しい言葉は、相手の人生を変える「ギフト」になる

「叱る」という行為は、エネルギーを使います。
嫌われるリスクもあります。
どうでもいい相手なら、見て見ぬふりをするのが一番楽です。
だからこそ、叱ってくれる人は貴重なのです。
あなたが勇気を出して伝えたその言葉は、相手が一生気づけなかった欠点を直し、人生を好転させるきっかけになるかもしれません。
鬼手仏心(きしゅぶっしん)。
手は厳しくとも、心には仏のような慈愛を持つこと。




